ミール通信(1月号)
MOTTAINAI
食環境3R+ Respect =もったいない
ケニア人女性ワンガリ・マータイさんが、2004年環境分野で初めてノーベル平和賞を受賞しました。その翌年に来日し、その際に感銘を受けた日本語が、"もったいない"でした。
そして、かけがえのない地球資源に対して Reduce(ゴミ削減) Reuse(再利用) Recycle(再資源化)という環境活動3Rに、Respect(尊敬の念)をこめて、"MOTTAINAI"を世界共通語として、広めることを提唱しました。
現代の矛盾
食糧自給率
食糧自給率とは、私たちが食べている食糧のうち、国産でどの程度まかなえているかを示す指標です。現在、日本は先進国の中で最も低い水準で、カロリーベースで食糧自給率40%です。これは食生活の変化からの米の消費の減少、冷凍食品・加工品の頻度増加、農業構造の変化など様々な要因の影響からです。
豊作産地廃棄
自然の恵みは本来とても喜ばしいことなのですが、野菜や果物が豊作すぎると、過度の値崩れを防ぐために、組織的な産業廃棄が行われることがあります。また規格の枠をはみ出した大きさのものや、傷があるものは、味や栄養価には全く問題なくとも、店頭に並べることができないという悲しい現実もあるのです。
食料廃棄率
私たちは年間5800万トンの食糧を輸入しながら、その1/3の1900万トンを廃棄しています。そのうち半分以上の1000万トンが家庭からの廃棄なのです。そしてその処理費用に2兆円が使われています。世界では、約8億5000万人が栄養不足といあわれているのに、日本は世界一残飯量が多い国なのです。
松山大学生協のとりくみ
松山大生協で生産しているお弁当はリサイクルを前提としたリ・リパックとホッかるというお弁当箱を使用しています。
リ・リパック
食べ終わったら表面のフィルムをはがして弁当箱を回収、再生センターでペレット化して弁当箱として再生されます。
ホッかる
食べ終わったら表面のフィルムをはがして弁当箱を回収、トイレットペーパーなどとして再利用されています。
食用油の廃油
食用油の廃油はバイオ・ディーゼルエンジン燃料として精製リサイクルされて松山市のゴミ収集車などに使用されています。
謝恩割り箸
国産の間伐材を使用した謝恩割り箸を使用しています。
今日から始めよう! 健康+"MOTTAINAI"
米を中心に、日本の気候風土に適した中で作られた農産物を食べることは、栄養のバランスがとれるばかりでなく、食料自給率の向上にもつながります。「フードマイレージ」(食料の生産地から消費される食卓までの距離)と言う言葉がありますが、これは輸入による海上輸送に伴う温室効果ガス排出量の削減にもつながり、問題となっている地球の温暖化の防止にもなるのです。また国内においても、ハウス栽培には多くの資材や電気、石油が使われています。"旬"食材を選ぶこともMOTTAINAIにつながっているのです。
身体を動かす
車やバイクの利用を控えると、ガソリンの省エネ、排気ガスの排出量を減らして地球温暖化防止と様々なエコにつながります。また適度な運動がこの寒さの中、冷えにも強い身体づくりにつながって、健康も維持してくれます。暖房器具や便利な交通機関に頼ることなく、自ら身体を動かすことを意識、実践していきましょう。
エコグッズの活用
マイ箸、マイバッグ、マイボトルなど、おしゃれなエコグッズが豊富に出回っています。さりげなくマイグッズを活用している人を見ると、きちんと環境のことを考えていて、素敵だなと感じます。またつい冬は水分摂取を忘れていませんか? 真夏と違って意識なく水分量が減っていることで、乾燥したり、代謝が悪くなっていたり、水分不足からの便秘も少なくないようです。マイボトルを持つことを習慣にしていると、一日に必要な水分もきちんと摂ることができます。環境のため、自分のためにも、エコグッズを生活の中に楽しく取り入れてみませんか。
自炊の時には
「安いから」とのまとめ買いはNG
独り暮らしで食べる量は限られています。適量以上の食べ過ぎや、同じ食材ばかり続く食事は栄養素のバランスの面からもおすすめしません。
丸ごと使おう
大根や人参の皮など、風味があり栄養価も豊富です。ゴミ削減のためにも食材は丸ごと利用しましょう。
調味料もエコ
料理に使う調味料、ドレッシングやソースなど、ざっとひと回し使っていませんか。過剰摂取からの生活習慣病を引き起こさないためにも、使用量は控えめに。
自炊にチャレンジ! エコクッキング(炊飯器で一度に3品 キャベツ、人参使い切り)
キャベツとツナのキャロットライス・豚肉のオーロラソース・蒸し野菜サラダ
材料
- キャベツ1/4玉
- 人参 1本
- 豚もも薄切り 150g
- ツナ 小1缶
- コンソメ1個
- マヨネーズ
- ケチャップ
下準備
- 米は洗って、分量の水につける。
- 豚肉は塩こしょうする。
- キャベツの外側はミジン切り、残りは芯をつけたままくし型
- 人参は皮の部分をすりおろす。残りはスティック状に切る。
作り方
- 米にミジン切りキャベツ、おろし人参、ツナ、コンソメを加える。
- 1の上に、下準備したキャベツ、人参、豚肉をのせて、炊飯器のスイッチをON
- 炊き上がったら、蒸しキャベツと人参を取り出し、ドレッシングを添える。
- 豚肉はマヨネーズとケチャップを同量にしたものをソースとしてかける。
- ご飯は全体をさっと混ぜて、器に盛る。
※おろし器がなければ、人参はみじん切りでOK。キャベツの代わりに白菜や、鶏肉や魚の切り身など材料は工夫してみよう。食材は地元野菜をエコバッグ利用で買い物して、調理や片付けでも節水を心がけてみよう。
感染性胃腸炎に注意! (ノロウイルス)
下痢、嘔吐を主徴とする胃腸炎を起こし、幅広い年齢層に罹患する傾向があります。
ノロウイルスは、カキ等の二枚貝の生食による食中毒がよく知られていますが、わずかなウイルスが口の中に入るだけでも感染する、非常に感染力の強いウイルスです。潜伏期間は24時間から48時間で、1~2日程度で治癒します。しかし、激しい嘔吐や下痢により、急激にすいずんを失いますので、脱水症状には注意します。現在このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はなく、下痢止め薬の使用は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しません。感染しても発症しない場合や、軽い風邪のような症状の場合もあります。
日ごろから手洗いや消毒の習慣をつけ、食品は十分な加熱が大切です。